2級建築施工管理技士 過去問
令和7年(2025年)前期
問8 (ユニットB 問4)
問題文
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問題
2級建築施工管理技士試験 令和7年(2025年)前期 問8(ユニットB 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
- 高力ボルト接合の摩擦面には、ショットブラスト処理等により一定の値以上のすべり係数を確保する必要がある。
- 完全溶込み溶接とは、溶接部の強度が母材と同等以上になるように全断面を完全に溶け込ませる溶接である。
- 溶接と高力ボルトを併用する継手で、溶接を先に行う場合は両方の許容耐力を加算してよい。
- 隅肉溶接継目の許容応力度は、母材の許容せん断応力度と同じ値とする。
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この過去問の解説 (2件)
01
鉄骨の接合方法はボルト接合と溶接接合です。前者のうち高力ボルト接合の大きな役割は摩擦面接合で、接合する部材の面と面を圧着することで摩擦が生じ強く接合させるものです。したがって、接続する鋼板にゆがみがあったり、間に異物があっては効果がありません。
溶接接合は、部材と部材を溶接金属で一体とする方法で、完全溶け込み溶接では部材間全部を溶接金属を満たし、部材と一体とします。また、部分溶け込み溶接や隅肉溶接は、部分的には部材同士が溶接金属を介することなく接しているところがあります。
すべり係数0.45以上。浮き錆を除去した赤さび状態でこの数値を確保しているものとされています。
溶融亜鉛めっきはすべり係数0.40以上ですが、めっき鋼面のままでは、規定値を満足しないので、ブラスト処理、またはリン酸塩処理(リン酸亜鉛処理)を行う必要があります。
母材と母材の間を溶融金属(溶接材料と溶け出した母材が凝固したもの)で満たし、適切な溶接材料と適切な施工で、降伏耐力、最大耐力を母材同等とみなします。「突合せ溶接」とも言います。
F:溶接される構造の種類及び品質に応じて定める溶接部の基準強度(建築基準法施行令第98条)
接合方法を併用する場合は、高力ボルト接合を先行する場合に両方の許容耐力を加算することができます。溶接を先行すると、溶接熱により板に曲りやひずみが生じ、高力ボルトによる十分な摩擦力が期待できないため、この場合は溶接による耐力のみ有効としています。
隅肉溶接の許容応力度は1.5√3分の1(建築基準法施行令第92条)、構造用鋼材の許容せん断応力度も1.5√3分の1(建築基準法施行令第90条)です。
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02
最も不適当なものは、「溶接と高力ボルトを併用する継手で、溶接を先に行う場合は両方の許容耐力を加算してよい。」です。
この問題は、高力ボルト接合と溶接接合の基本的な扱いを知っているかを確かめる問題です。現在の公共建築工事標準仕様書では、両方を併用する場合は高力ボルト接合を先に行うとされており、関連する設計上の扱いもその前提で考えます。したがって、溶接を先に行う場合としているこの記述が不適当です。
これは正しいです。
公共建築工事標準仕様書の令和7年版では、摩擦面にはすべり係数値が0.4以上確保できる処理が必要とされており、ショットブラストやグリッドブラストによる処理が示されています。つまり、「摩擦面を適切に処理して、必要なすべり係数を確保する」という説明は合っています。
これは正しいです。
完全溶込み溶接は、全断面が完全に溶接されるように行う溶接です。国土交通省の資料でも、片側から溶接したあと、必要に応じて裏はつりを行い、反対側からも溶接して全断面を確実に溶け込ませるものとして示されています。また、文部科学省の設計指針では、完全溶込み溶接(突合せ溶接)の許容応力度は構造用鋼材と同じ表で扱われています。
これは不適当です。
公共建築工事標準仕様書では、高力ボルト接合と溶接接合を併用する場合は、高力ボルト接合を先に行うとされています。さらに、高力ボルト関係の技術資料でも、両者の許容耐力を加算できるのは、高力ボルトの締付けを溶接に先立って行う場合とされています。したがって、溶接を先に行う場合に加算してよいという説明は合っていません。
これは正しいです。
文部科学省の建築構造設計指針では、構造用鋼材の長期許容せん断応力度はF/1.5√3、完全溶込み溶接以外の溶接継目、つまり隅肉溶接などの長期許容応力度もF/1.5√3と示されています。つまり、隅肉溶接継目は、母材の許容せん断応力度と同じ値で見るという整理でよいことになります。
この問題では、併用継手の施工順序がいちばん大切です。
覚えておきたいのは、
高力ボルト接合と溶接接合を併用するときは、高力ボルトを先に行うこと、
完全溶込み溶接は全断面をしっかり溶け込ませる溶接であること、
隅肉溶接の許容応力度は、母材の許容せん断応力度と同じ考え方で扱うことです。
似た問題では、「施工順序」と「完全溶込みか、隅肉か」を落ち着いて見分けると、判断しやすくなります。
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