2級建築施工管理技士 過去問
令和7年(2025年)前期
問40 (ユニットF 問3)

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問題

2級建築施工管理技士試験 令和7年(2025年)前期 問40(ユニットF 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

金属の表面仕上げに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 鋼材の電気めっきとは、母材を電解液中で通電して、表面に皮膜金属を生成させた仕上げである。
  • 鋼材の樹脂焼付け塗装とは、樹脂塗料をエアスプレーで塗布した後、所定の温度で焼き付けた仕上げである。
  • ステンレス板のエンボスとは、凹凸の模様を施したロールで、その模様を圧延転写した仕上げである。
  • ステンレス板のBAとは、研磨材で連続したみがき目がつくように研磨した仕上げである。
  • アルミニウム合金の自然発色皮膜とは、有機酸を用いた陽極酸化処理を行い、皮膜の生成と同時に発色させた仕上げである。

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この過去問の解説 (2件)

01

 金属の表面仕上げは、機能性、耐食性、意匠性(美観)の向上を目的として行われ、めっき処理、化成処理、塗装、研磨、洗浄などがあります。 

選択肢1. 鋼材の電気めっきとは、母材を電解液中で通電して、表面に皮膜金属を生成させた仕上げである。

 鋼材の電気めっきは、電気分解を利用しためっきで、マイナスの電極にめっきしたい金属を、プラス極にめっきに使う金属を電解液に浸し、電気を流すと、プラス極では電子を失った金属イオンが溶け出し、マイナス極で電子を受けためっき金属が析出します。

選択肢2. 鋼材の樹脂焼付け塗装とは、樹脂塗料をエアスプレーで塗布した後、所定の温度で焼き付けた仕上げである。

 焼付塗装は、塗装後、乾燥炉で加熱・硬化させることで強力な塗膜を造ります。

選択肢3. ステンレス板のエンボスとは、凹凸の模様を施したロールで、その模様を圧延転写した仕上げである。

 ステンレス板エンボス加工は、ステンレスの表面に凸凹をつけ、滑りにくく、傷を目立ちにくくしたものです。

選択肢4. ステンレス板のBAとは、研磨材で連続したみがき目がつくように研磨した仕上げである。

 BA材(Bright Anneal)は冷間圧延後、光輝熱処理(光輝焼鈍)を行ったもので、鏡面に近い光沢のある仕上げになります。  用途:自動車部品、厨房用品、装飾品

 設問の「研磨材で連続したみがき目がつくように研磨した仕上げ」は、ステンレス建材の一般的な仕上げであるHL(Hear Line)仕上げです。

 

選択肢5. アルミニウム合金の自然発色皮膜とは、有機酸を用いた陽極酸化処理を行い、皮膜の生成と同時に発色させた仕上げである。

 アルミニウムの陽極酸化処理(アルマイト)時に皮膜が自然に発色させることを「自然発色皮膜」といい、電解浴、電解条件によるものを「電解発色皮膜」、アルミニウム合金の種類(合金の成分)によるものを「合金発色皮膜」といいます。

 陽極酸化処理(アルマイト)とは、酸性水溶液中にアルミニウムをひたし陽極側にして電解処理することで、人工的に酸化被膜を生成させる表面処理のことです。

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02

最も不適当なものは、「ステンレス板のBAとは、研磨材で連続したみがき目がつくように研磨した仕上げである。」です。

この問題は、金属の表面仕上げの名前と中身が合っているかを見分ける問題です。
特に大事なのは、BAHLの違いです。BA光輝焼鈍仕上げで、研磨して長いみがき目をつけたものではありません。長く連続したみがき目があるのは、HL(ヘアライン)仕上げです。

選択肢1. 鋼材の電気めっきとは、母材を電解液中で通電して、表面に皮膜金属を生成させた仕上げである。

これは適当です。
JISでは、電気めっきは、金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出させた皮膜とされています。つまり、電解液の中で通電して表面に金属の皮膜をつくる、という説明でよいです。

選択肢2. 鋼材の樹脂焼付け塗装とは、樹脂塗料をエアスプレーで塗布した後、所定の温度で焼き付けた仕上げである。

これは適当です。
樹脂焼付け塗装は、合成樹脂系の塗料を塗って、そのあと焼き付ける仕上げです。日本鉄鋼連盟の資料でも、鋼板に合成樹脂塗料を塗装・焼き付けすると説明されています。問題文の中心である「樹脂塗料を塗って、加熱して仕上げる」という内容は合っています。

選択肢3. ステンレス板のエンボスとは、凹凸の模様を施したロールで、その模様を圧延転写した仕上げである。

これは適当です。
ステンレス協会の資料では、エンボスは、エッチングまたは機械的に模様を彫り込んだエンボス用ロールで圧延したものとされています。つまり、模様のついたロールで凹凸を転写する仕上げです。

選択肢4. ステンレス板のBAとは、研磨材で連続したみがき目がつくように研磨した仕上げである。

これは不適当です。
BAは、Bright Annealed(光輝焼鈍)のことです。ステンレス協会の資料でも、冷間圧延後に光輝焼鈍を行ったものとされています。
一方、長く連続した研磨目をもつ仕上げは、同じ資料でHL(ヘアライン)と説明されています。つまり、この選択肢はBAとHLを取り違えています。

選択肢5. アルミニウム合金の自然発色皮膜とは、有機酸を用いた陽極酸化処理を行い、皮膜の生成と同時に発色させた仕上げである。

これは適当です。
JISでは、自然発色皮膜を、陽極酸化処理だけで発色させた皮膜としています。日本アルミニウム協会でも、染料や金属塩を使わず、材質や電解条件の組合せで発色させると説明しています。つまり、陽極酸化の過程で皮膜そのものを発色させる仕上げ、という理解でよいです。

まとめ

この問題では、BAHLの違いを正しく覚えているかがいちばん大切です。
BA光輝焼鈍仕上げHL連続したみがき目をつけた研磨仕上げです。ここを逆にすると、まちがえやすくなります。

あわせて、
電気めっきは通電で金属皮膜をつくること
エンボスは模様付きロールで凹凸を転写すること
自然発色皮膜は陽極酸化で皮膜そのものを発色させること
も整理して覚えておくと、似た問題にも対応しやすくなります。

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